素晴らしいサービスなのに売れないのは何故！？
元々雑談から始まったこのプロジェクト。元々、代表神田の知り合いだった税理士の先生と別件の話をしている最中に「2年ほどかけて開発した会計システムがあるんですが手伝ってくれませんか？」と声をかけていただいたことがきっかけでした。
「ホームページ制作会社にWEBサイトを作ってもらってリスティング広告を打ったが、ほとんど問合せが無い」とのこと。よくある話だなぁと思ってお話をお伺いすると、これまた面白い仕組みで素晴らしい着眼点のサービスだと感じました。弊社でも“自社サービスの開発を行い失敗した経験”があったため、「素晴らしいサービスなのになぜ問合せが来ないのか？」はひと目でピンときました。そしてリブランディングをすればすぐに問合せが増えるだろうということも分かりました。しかし直感が現実のものにすることができるのか？本当に上手くいくのかご紹介いたします。
商品開発時にはブランディングは終わってなければならないワケ
素晴らしいサービスだと思った３つの理由
話を伺って、素晴らしいサービスだと感じた３つのポイントがありました。
- 悩んでいる人が多そうだ（僕自身がそうだった）
- 今後伸びる市場だろうな
- 競合他社がゼロ（ここが一番のポイント！！）
サービスや商品開発をしたことがある方であれば、これだけで素晴らしい着眼点であることがわかると思います。そして、サービス自体もその着眼点に見合うものでした。そのサービスの内容と言うのは、「クラウド会計ユーザー専用の定額決算代行プログラム」でした。弊社のような小規模事業者や、中小企業の経理担当の方ならピンとくると思いますが、バックオフィスである経理にあまりお金をかけたくないと思ってしまうのが正直なところです。そしてここ数年、freeeやマネーフォワードのように安価で会計処理ができるクラウド会計ソフトが出回り始め、その想いは更に強くなっていることだと思います。そのため、「税理士」自体の価値に疑問を感じ始めている経営者や経理担当者は少なくないかと思います。ですが、自社だけでは会計処理を完結することは難しい、その中でも一番手強いものは「決算」ではないでしょうか。
本稿でご紹介しているこの「法人決算オンライン」は、そうした経営者や経理担当者のリアルな悩みを解決する、唯一と言っても良いソリューションでした。
素晴らしいサービスに問合せが無いのは何故？
実は「法人決算オンライン」とは、リブランディングした後のネーミングです。リブランディングする前のネーミングは「AI TAX」という名前でした。「AIで決算申告書を自動作成」ということを売りにしていましたが、その売り方では多くの問合せを獲得することは出来ませんでした。何故問合せが来ないのか？失敗するほとんどのサービスや商品が陥る罠ですが、理由は簡単。「欲しくない」からです。なにそれ！？とクレームが来そうですが、本当だからしょうがありません。お客さんとなり得る人たちは「AI」が欲しいわけではありませんでした。「定額」や「決算だけの代行」や「安価」が欲しかったのです。
何故「欲しくない」ものを売ろうとしてしまうのか？
こちらも理由はいたって簡単。ざっくり分けると商品開発の始まりは２つしかありません。「出来ることが広がった結果新しいプロダクトが生み出される」か、「誰かの悩みを解決するためにプロダクトが生み出される」か、この２つです。そして、前者のような「私達はこんなことが出来る！」という商品開発が多く見受けられます。しかも「私達が出来ること」に「流行」や「マーケティングデータ」や「ブランディングっぽいもの」が付与してしまうため社内への説得力を持ち、商品になり、それっぽい形で市場に出てくることとなります。だけど考えてみてください。例えば、飛び込み営業で「私達こんなことが出来ます！！」と言われてお金を払おうと思うでしょうか？
ですが今回の場合、前者の「私達こんな事が出来ます！」という売り方をしていただけで、サービス自体は「クラウド会計を使っているから決算だけを安くで頼みたい」という誰かの悩みを解決するためのサービスでした。だからリブランディングする前の売り方をひと目見て、「悩みが解決出来る」売り出し方にすれば売れる！という確信が持てたのです。
